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ソーシャル・アントレプレナー(社会起業家)で行こう!

―「儲けるだけ」への疑問から

株式会社が世の中に出現してから、最近に至るまで、社会貢献と営利追求は、まったく別のものであるという常識がありました。私は、20世紀の最後の数年で、ニューヨークのコロンビア大大学院にて営利組織と非営利組織の両立戦略の研究に取り組みました。そこでの研究を通じて、アメリカでは、社会貢献と営利追求、その両方を同時に実現していく『ソーシャル・アントレプレナー』たちが、次々と出現して来ているダイナミズムを目の当たりにしました。

―ソーシャル・アントレプレナーって何?

1)企業の経営方法と戦略を社会問題解決に生かすこと
2)収益を確保する組織として、広く人材と資金を求めること
3)社会問題解決に効率を導入し、新たな課題解決のスタイルとビジネスモデルを社会に提案すること
 (渡邊奈々子・森田萌氏の定義による)

―起業家よ!歴史に名前をどう残すか

「石油のロックフェラー」「鉄鋼のカーネギー」etc。19世紀、20世紀において巨大産業を興した多くの大企業グループ。そして今、IT産業から、巨大企業群が出現しています。しかし、IT革命の恩恵の多くは、未だ、インターネットにアクセス可能であり、なおかつ英語でコミニュケーション可能である人々、そして先進国のビジネスの分野に留まっています。IT(情報技術)が、人間のハピネスに多大に貢献し得るかどうかは、100人のビル・ゲイツ氏の出現を以って、検証されるべきではないでしょう。農業革命における起業家は後世、定住農民と呼ばれ、産業革命における起業家は、後に産業資本家となって歴史に残りました。IT革命における起業家も、単に起業家と呼ばれるのか、後に、違った名称で歴史に残るのかは、IT革命第2幕において、“情報技術が、世界の格差を広げることではなく、その格差をいい意味で縮める”つまり、“IT革命の恩恵を、世界中の人々が享受出来る方向に、起業家が世界をリードしていくこと”という一点にすべてがかかっています。それこそが、現在の“IT革命”と呼ばれているムーブメントが歴史的にまさに革命だったと語られる唯一の条件だと、私は考えます。

―インターネットの新たな地平

1960年代にマーシャル・マクルーハンは唱えました。「新しいメディアの出現は、新しい社会形態を可能にする。グーテンべルクの活版印刷技術が、教会に独占されていた聖書を大衆にも広め、宗教革命につながった。」
インターネット。それは、21世紀に突入した人類への福音です。「Power to the People」ジョン・レノンが世界に向けて1971年に投げかけたメッセージはいま情報社会という形で実現しています。グーテンベルグの活版印刷技術がヨーロッパを中世の呪縛から解き放ったように、またテレビによる映像が地域経済圏を解体し、マス消費社会を生んだように、インターネットというツールの出現で、私たちは、今、新しい社会、新しい世紀を創り出せる千載一遇の分岐点に立っています。この21世紀の人類に課せられた「新たな情報技術を生かして、どう人間本位の社会実現につなげていくのか?」 という大きなテーマをクリアしていく先導役を我々は果 たしたい。それを推進していくのが、まさに「ソーシャル・アントレプレナー」であり、マクルーハンが意味した真の新しい社会形態実現に至ることでしょう。

―20世紀との相違点。21世紀社会のパラダイム

意識の高い消費者・顧客が存在する社会において、社会性の高いビジネスが、理念のうえで、他社と差別化され、広い意味で、PROFIT SECTORとしての企業を展開していく。まさに、それこそが、社会性の高いビジネスを展開するソーシャル・アントレプレナーであります。ソーシャル・アントレプレナーは、21世紀において、そしてこの日本においても必然であると確信しています。この理念を達成していく意義の大きさを日々実感するとともに、微力な我々に、多くのネットワークが広がっていくことを切望し、最後に2つのメッセージを記すことにします。

「課題解決策に欠けるNPOには、ビジネス戦略を!利潤しか頭にないハーバード・ビジネススクールの連中には社会問題の存在を!」(ニック・グリーソン米国シティソフト社長)
「非営利機関では、アイデアが不足するということはない。不足するのは、それらのアイデアを現実の成果に結びつける意欲と能力である。つまり、必要なのは、イノベーションの戦略である。」(P.F.ドラッカー)
さあ、はじめよう。20世紀の呪縛をオールクリアする。それは、IT革命の第2幕です。我々EarthSectorの「ソーシャル・アントレプレナー」の一員としての試みが、そんな21世紀のパラダイムを創っていくことの一助になれば幸いです。どうぞ、アースセクターの今後の活動にご期待ください。
2001年5月
アースセクター代表取締役 金野 索一
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