アークセクター株式会社 

CEOメッセージ


ソーシャルアントレプレナーで行こう

―「ポスト・マネー資本主義」の主役 

1602年、オランダ東インド会社設立。世の中に出現した最初の株式会社から、既に400年以上を経て、今21世紀を迎えています。私は、20世紀の最後の数年で、米国の大学院にて、資本主義の次世代システムとしての「共生資本主義:3つのセクターの最適化」~公共(行政)セクターと企業セクターと非営利セクターの競争と共生を通じて、経済システムが機能する~の研究に取り組みました。そこでの研究を通じて、アメリカでは、社会問題解決と営利追求、その両方を同時に実現していく『ソーシャル・アントレプレナー』たちが、次々と出現して来ているダイナミズムを目の当たりにしました。そしてまさに、このソーシャル・アントレプレナーこそが、21世紀の「ポスト・マネー資本主義」の主役になり得ると確信しました。

 

―ソーシャル・アントレプレナーって何?

1)企業の経営方法と戦略を社会問題解決に生かすこと
2)収益を確保する組織として、広く人材と資金を求めること
3)社会問題解決に効率を導入し、新たな課題解決のスタイルとビジネスモデルを社会に提案すること 

 

―インターネットによる「資本主義の新たな地平」

1960年代にマーシャル・マクルーハンは唱えました。「新しいメディアの出現は、新しい社会形態を可能にする。グーテンべルクの活版印刷技術が、教会に独占されていた聖書を大衆にも広め、宗教革命につながった。」
インターネット。それは、21世紀に突入した人類への福音です。「Power to the People」ジョン・レノンが世界に向けて1971年に投げかけたメッセージはいま情報社会という形で実現しています。グーテンベルグの活版印刷技術がヨーロッパを中世の呪縛から解き放ったように、またテレビやマスメディアの情報によって東欧革命が出現したように、インターネットというツールの出現で、私たちは、今、新しい社会、新しい世紀を創り出せる千載一遇の分岐点に立っています。この21世紀の人類に課せられた「人間本位の社会実現への次世代資本主義モデルとは?」という大きなテーマをクリアしていく先導役を我々は果たしたい。新たな情報技術(IT)を生かして、「ポスト・マネー資本主義」を推進していくのが、まさに「ソーシャル・アントレプレナー」であり、マクルーハンが意味した真の新しい社会形態実現に至ることでしょう。

 

―起業家よ!歴史に名前をどう残すか

「石油のロックフェラー」「鉄鋼のカーネギー」etc。19世紀、20世紀において巨大産業を興した多くの大企業グループ。そして今、IT産業から、巨大企業群が出現してます。
しかし、IT革命の恩恵の多くは、未だ、インターネットにアクセス可能であり、なおかつ英語でコミニュケーション可能である人々、そして先進国のビジネス分野に留まっています。

インターネットの本質とは、普通の人にとっても、もちろん利便性が高いですが、
社会的弱者やハンディキャップのある人にとっては、さらにその数倍の恩恵を得られるものと言えます。つまり、 情報技術(IT)が、人間のハピネスに多大に貢献し得るかどうかは、100人のビル・ゲイツ氏の出現を以って、検証されるべきではないでしょう。

農業革命における起業家は後世、定住農民と呼ばれ、産業革命における起業家は、後に産業資本家となって歴史に残りました。IT革命における起業家も、単に起業家と呼ばれるのか、後に、違った名称で歴史に残るのかは、IT革命第2幕において、 「情報技術が、世界の格差を広げることではなく、その格差をいい意味で縮める」 つまり、「IT革命の恩恵を、ビジネス分野だけでなく、社会分野において世界中の人々が享受出来る方向に、起業家が世界をリードしていくこと」という一点にすべてがかかっています。それこそが、現在のIT革命と呼ばれているムーブメントが歴史的に「真の革命」だったと語られる唯一の条件だと、私は考えます。

 

―私たちは、「G to C」「NPO to C」の透明化・双方向化カンパニーです。

公共セクターをG、ビジネスセクターをB、非営利セクターをNPO、市民・消費者をC,とすれば、私たちアースセクターの業務領域は、「G to C」「NPO to C」です。既存のB   to C、B to B等のビジネスは、急激なスピードでIT化が進行しています。一方、未だIT化が遅れ、人々がその恩恵を享受していない「ラストリゾート」と言える領域が、公共セクター「G」と非営利セクター「NPO」です。

「B」に対して意識の高い消費者・顧客の一面を持つ「C」と、「G」&「NPO」に対する市民・納税者としての一面を持つ「C」とは、どちらも不可分であることに、議論の余地がありません。
その二面性を持つ「C」と、「G」&「NPO」を、ツールとしてのITで繋ぐこと。
――代議制民主主義と市場資本主義の陥穽が一部に顕在化して来た21世紀に、
「G to C」「NPO to C」を情報技術で透明化・双方向化する。
それが、私達の理念であり使命なのです。

さて、この理念を達成していく意義の大きさを日々実感するとともに、微力な我々に、多くのネットワークが広がっていくことを切望し、最後に2つのメッセージを記すことにします。

「課題解決策に欠ける行政やNPOには、ビジネス戦略を!利潤しか頭にないハーバード・ビジネススクールの連中には社会問題の存在を!」(ニック・グリーソン米国シティソフト社長)
「非営利機関では、アイデアが不足するということはない。不足するのは、それらの
アイデアを現実の成果に結びつける意欲と能力である。つまり、必要なのは、イノベーションの戦略である。」(P.F.ドラッカー)

 

  さあ、はじめよう。20世紀の呪縛をオールクリアする。
それは、IT革命の第2幕です。“コンピュターOSの囲い込み”も、“インターネット財閥”も、“株価経営”も20世紀のパラダイムの残滓であり、IT革命の第1幕は20世紀を以って終幕しました。第2幕である真のIT革命は、ソーシャル・“ネット”プレナーによって今踏み出されます。
どうぞ、アースセクターの今後の活動にご期待ください。

2001年5月 既成概念にこだわらない人々の街 ニューヨークにて 

 

                            アースセクター代表取締役 金野 索一